フィギュアスケートの宮原知子は実に輝かしい経歴を残している。
14歳(中学3年生)の時に、全日本選手権で3位に入って頭角を現すと、16歳から18歳の現在まで、全日本選手権3連覇。高校2年生で初出場した世界選手権ではいきなり2位に入ると、昨季、今季と、グランプリファイナルで連続銀メダルを獲得した。
こうした成績は、彼女の練習量の賜物である。身体能力が飛びぬけて高いわけではないという彼女は、誰よりも長い時間をかけてこつこつと練習し、踏み切りや回転不足を修正して、正確なジャンプを跳べるようになった。左回りだけでなく右回りもスピーディに美しく回れるスピンや細かいステップでも着実に得点を重ねられるようになり、長時間の練習でスタミナを得たことで基礎点が1.1倍されるプログラム後半にも高難度のジャンプを入れられるようになった。
近年は、表現力のアップにも尽力している。宝塚歌劇団出身の講師やバレリーナの吉田都に、魅せ方や表現方法を習ったのちに臨んだ今シーズン、これまでとはまったく違う宮原がいた。たとえばショートプログラム『ムゼッタのワルツ』(『ラ・ボエーム』より)の冒頭。音楽の始まりとともに、目元と口元から、滑る喜びがふわりとわき上がる。上品な曲調と、少しタメのある腕の上げ下ろしが相乗する。“かっちり”としていた数年前までの演技とは、別人のようになった。人となりが見えるとスケーターとしての興味が自然と湧いてくるものだが、2015年4月の国別対抗戦の「応援姿」は、彼女にとってとても重要だったといえるだろう。このころはまだシャイで真面目な面がクローズアップされていたが、頭に巻いたハチマキに「日本」と書かれた日の丸の扇子を刺した姿で日本チームを応援する彼女に、スケートファンは一気に親しみを抱くようになったからだ。
もう長い間彼女に期待し続けてきたように感じるが、現在18歳。ということは、何年も前、まだ14、5歳だったころの彼女にも、大きな期待をかけてきた。しかし、宮原はそうした空気に屈せず、逆に好成績にも驕らず、努力を積み重ね、全日本選手権3連覇を果たし、日本フィギュアスケート史に残る堂々たるスケーターとなった。年下の選手たちの突き上げも、次々に新星が登場するロシアの選手たちの脅威も、彼女の立っている場所とは異なる空間のことのように感じられる。
それは彼女がこれまで、周囲に左右されず、自分のペースを保って着実にいまの場所までたどり着いたからかもしれない。1年前に想像した姿より、2年前に想像した位置より、さらにずっと高いところに今の彼女は立っている。私たちの想像の延長線のはるか上へと進化してきた彼女は1年後の平昌五輪では、今の私たちからは想像もできない姿を見せているだろう。この1年、そんな宮原知子の動向をすべて、つぶさに見届けたい。(文・長谷川仁美)
ソース
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article
ネットの反応
すごく良い記事で嬉しい。宮原選手は上品で謙虚だけど向上心があって応援したくなる選手。
四体陸・アジア大会・世界選手権と試合が続くけど怪我をせずに頑張ってほしい。平壌オリンピックでの活躍を願ってます!
努力家でとても安定している選手だと思います。ジュニア勢も伸びてきていますが、やはり平昌は宮原選手がトップで行ってほしいと個人的には思っています。どうか3枠獲得して女子3人行ける結果になってほしいです。
精神力の強さはメドベジェワと同じくらい凄いと思います。
背筋の凄さは努力の賜物なんだろうね。なんとも言えない品の良さが滲み出ている演技。応援しています
品良く聡明、ひた向きな努力。メディア慣れしても清楚さは損なわれず…応援したくなるスケーターさん。
頭の良さと品の良さが彼女の武器だと思う。ご両親、お医者さんだけあって育ちの良さが演技にもにじみ出てる。