冬のイメージがあるフィギュアスケート。実は、夏も盛り上がっています。春から夏にかけて全国各地でアイスショーが開かれ、多くのファンが観戦に繰り出します。実は日本は世界でも有数の「アイスショー大国」。なぜ日本でアイスショーが広まったのか? アイスショーの進化の歴史とは?(朝日新聞記者・浅野有美)
日本はアイスショー大国?
フィギュアスケートは冬のスポーツですが、ファンはオフシーズンにあたる春から夏にかけても大忙しです。なぜならこの時期、日本では怒濤のようにアイスショーが開催されるからです。
昨年、国内で開かれたアイスショーは約70公演。1日2公演あるショーもあり、日数では約50日で、1週間に1回開かれている計算になります。
昔はこれほど多かったわけではありません。アイスショーは、世界で活躍する日本人選手が増えるにつれ、広まりました。
1992年に五輪銀メダリストになった伊藤みどりさんの活躍でフィギュアスケートが国内に広まり、選手たちの才能が開花していきます。
2006年には荒川静香さんが五輪金メダル、そして浅田真央さん、高橋大輔さん、羽生結弦選手など世界のトップで活躍する選手が次々と現れ、フィギュアスケート熱の高まりとともに、アイスショーが増えていったのです。
約40年の歴史があるアイスショー
国内で最も歴史が古いのが、プリンスアイスワールドです。その始まりは1978年で、来年40周年を迎えます。約50名のプロフィギュアスケーターが集まり、日本初のアイスショーを東京・品川で開催しました。
始まった当初からエンターテインメント色があり、伊藤みどりさんを迎えてミュージカル仕立てにしたり、八木沼純子さんをチームリーダーとしてショーをつくったりするなど、アイスショーの魅力を高めてきました。
バク宙に大歓声
現在、プリンスアイスワールドチームは24人。4月になるとチームが結成され、最初の公演となる4月末に向け、約3週間で集中的に練習し仕上げます。
日中は他の仕事をしている出演者もいるため、練習が深夜から早朝に及ぶこともあります。今季は4都市26公演あり、公演を重ねていくにつれ演技に磨きがかかっていきます。
団体で滑るプログラムが中心で、隊形を円や横一列など次々と変化させていく演技は圧巻です。チームリーダーの小林宏一さん(32)は、「ひとりひとりのレベルが高く、チームのレベルが上がってきている」と話します。
今年も全日本選手権経験者が加入するなど、チームの底上げにつながっています。小林さんも全日本選手権経験者で、ジャニーズJr.に所属していたことも。バク宙が得意で、毎回大歓声を浴びています。
ゲストスケーターが注目されがちですが、プリンスアイスワールドチームの個々人の人気も高まってきています。
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