男子ショートプログラム(SP)が行われ、4年ぶりに現役復帰したバンクーバー五輪銅メダリストの高橋大輔(32)=関大KFSC=は77・28点で首位発進した。
直前の6分間の公式練習から、会場の雰囲気はがらりと変わった。高橋がリンクに現れたところから大歓声。上着を脱ぎ、白が基調の衣装になったところでまた沸いた。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)や3回転ルッツを確認。前の選手の演技には拍手を送った。
冒頭のトリプルアクセルを加点がつく出来栄えで成功。続く3回転ルッツ-トーループの連続ジャンプはやや回転不足の判定を受けたが、後半の3回転ルッツを降りると、最後のステップでは会場を魅了し、大きな拍手に包まれた。
「めちゃめちゃ緊張しました。それしかなくて。スタートから足ガクガクでつまづきそうになったし、今もまだガクガクしている」と高橋。演技を終えた安心感から得点を聞くのを忘れて控室に戻ろうとし、コーチらから止められる“ハプニング”もあったという。
それでも復帰初戦を無事に終え「この緊張からの解放感は、やっぱりいいなと思います」と笑顔。「ジャンプも全部詰まったし、ステップも思うように動かなかった。でも大きなミスなく終われて良かったという安心感はある」と柔らかな表情で振り返った。
フリーへ向けては「SPでこれだけ疲労困憊(こんぱい)しているので、フリーどうなることやら。持つかなという不安はある」としながらも「思いっきりやることを考え、今できることを出し切れるようにやりたい」と意気込んだ。
高橋の復帰戦となった近畿選手権は地方大会のため、普段は無料開放されているが、高橋が出場する7、8日に限り有料に変更。抽選で完売し、会場周辺には「チケット譲ってください」と書かれた紙を持った人も多くいた。
高橋は今年7月に現役復帰を宣言。8月には左足内転筋の肉離れを負い、アイスショーでの演技を中止。この日も4回転ジャンプは入れない構成で臨んだ。12月の全日本選手権(大阪・東和薬品ラクタブドーム)出場が最大の目標。フリーは8日に行われ、高橋は最後から2番目の9番滑走に決まった。昨季世界選手権5位でSP3位発進(70・94点)の友野は最終滑走となった。
引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181007-00000091-dal-spo