男子の世界選手権覇者の羽生結弦(22=ANA)が、来季以降の選手活動について「今は考えていません」と発言した。今季最終戦となったフリーの演技から一夜明けた22日、18年平昌五輪での連覇に挑む来季以降については現役続行か、引退かを含めて現段階では白紙とした。女子フリーでは三原舞依(17)が世界歴代4位となる日本歴代最高の146・17点で2位、樋口新葉(16)が145・30点で3位となるなど日本はチーム得点を109点に伸ばし、3大会ぶり2度目の優勝を果たした。
羽生が不意に「引退」の2文字を口にした。今季最終戦から一夜明けて、平昌五輪シーズンについて「『スケート人生の集大成になる』と言おうと思ったけど、考えてみればどの試合もいろんな経験、練習が詰まっている。何も気持ちは変わらない。1歩ずつ進んでいければ」と言った。その上で、この1年の激闘を振り返りながら「これだけ難しいことをやって、まとめなきゃいけない。ハイレベルな戦いだからこそ練習が楽しいですしモチベーションも、もっともっと高くなっていく。引退とかそういうこと関係なしに、今、スケート、楽しいです」と続けた。
約2時間後。今日23日のエキシビションに向けた練習を終えて会場を出る際に「来季での引退を考えているか」という進退を問う質問に、こう答えた。「今は(進退について)考えていません。まだ決めていません」。約10カ月後の平昌五輪を終えた来季以降のことは引退、現役続行を含めて白紙の状態にして、五輪連覇への準備に入る。
今季は、とにかく攻めた。昨年10月に4回転ループに史上初めて成功。4回転4本の高難度のフリーは、3月の世界選手権で完璧にまとめた。最終戦の今大会ではフリーで4回転5本に挑戦し、演技後半での3本の4回転に史上初めて成功した。歴代最高点を持つ「絶対王者」として、時代の先頭を走り続けた。
この日の練習では、まだ演技構成に入れたことがない4回転ルッツに挑んで、1度着氷した。ただ、来季に向けて「構成を大きく変える予定はない」と慎重で、4回転ジャンプは現在のトーループ、サルコー、ループの3種類の完成度を高める意向を示した。「プログラムのまとまり」「自分の表現」など演技の質を重視して総合的な美しさを追い求めていく。1歩ずつ、全身全霊を注いだ先に66年ぶりとなる五輪連覇が待っている。【高場泉穂】
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