宇野昌磨、平昌へ誓う飛躍 貪欲に攻め「負けたくない」

宇野 平昌へ誓う飛躍
貪欲に攻め「負けたくない」
2017/9/27 日経朝刊

フィギュアスケート男子の宇野昌磨（19、トヨタ自動車）は昨季世界選手権で銀メダリストになって一躍、来年の平昌五輪メダル有望株に躍り出た。
今季初戦となった今月のロンバルディア杯（16日まで、イタリア）ではショートプログラム（SP）、フリー、合計点すべてで自己最高得点で優勝。大輪の花を咲かす時が近づいている。

宇野に無難は似合わない。「まだ守りに入る年齢でもないし、自分（のピーク）はもっと先。無謀にならないよう攻めたい」。
ロンバルディア杯のフリーでは4回転ジャンプを5度成功。従来のフリップ、ループ、トーループに新しくサルコーが加わり、回数も1つ増えた。
8月末時点では4回転サルコーの成功率は週に1度程度だったというから、成長は著しい。

「ジャンプスキルを上げるにはすごくいい」と昨年から定期的に米シカゴに通い、アレクサンドル・オーリアシェフコーチの教えを受ける。
ジャンプに定評のある元全米女王グレーシー・ゴールドをジュニア時代に教えたこの伯楽のもとで、この夏も約2週間ひたすら跳び続けた。

半面、プログラムの通し稽古がまだ足りていない。ロンバルディア杯SP、フリーの演技構成点は5要素中トランジション（技と技のつなぎ）だけが9点台に届かなかったが、それは想定内。

「（今のルールでは）ジャンプの成功率が鍵。好ましいとは思わないけれど、いかにきれいに跳ぶかより、まず種類を増やして効率よく跳ぶ方がいい」。
2010年バンクーバー五輪銅メダルの高橋大輔に憧れた身としては表現を二の次にするのはつらい。「でも（試合で）負けたくないから」と勝ちに徹する。

日経つづき

これまでは目標や「負けたくない」という言葉を口にしなかった。心境が変わったのは、なぜ？

「もともとすっごい負けず嫌い。ただ、負けたくないと言えるほどの実力でもなかったから」。
昨季、出場全大会で表彰台に乗り「自分の気持ちを言える立場になったかな」といまなら思える。

ただし、羽生結弦に対してだけは「負けたくない」とは思えない。「（羽生は）勝ちたい相手。半分願いみたいな感じです。僕よりすべてが上だから」。
その劣勢を覆したわけではないが、演技前から得点を勘定して「ゆづ君には勝てない」と決めつけていた1年前と比べ、大きな進歩だ。

そんな宇野を「あなたはもっとできた。私はもっといいあなたを知っている」と、5歳から師事する山田満知子コーチは励ましてきた。
「いろんな経験をしてきた方なので、僕がどんな心境になっても答えを持っている」と宇野はいう。

浅田真央（バンクーバー五輪銀）という「遊んでくれるやさしい"お姉ちゃん"」に心引かれて、同じクラブに入ってから15年。
五輪に挑む機会が巡ってきた。「ワクワクするか緊張するか。どんな状況でも自分を出したい」。そのために宇野は挑戦し続ける。

愛知だけじゃないんだ
＠
東京メトロ永田町駅５番出口方向へ行くとあります
退勤中に見つけました