--今回の平昌五輪をどう見ているか
「女子の方は、四大陸選手権で日本選手が表彰台を独占するなど、かなり状態として仕上がってきている。ロシアが強く、メドベージェワとザキトワの両選手が抜きに出ているが、後れを取っているわけではなく、日本は着実に力を付けてきている。特に今の女子は技術的な内容はほぼ変わらず、ジャンプの基礎点が似ており、スピン、ステップはレベル4ができて当たり前となると、ミスが許されない状況。一つ一つの加点がどれだけもらえるかが鍵になる。質の高いモノができるかの争いで、本当にシビアな戦いだ」
■宮原は「職人」、羽生は「誰もまねできないレベル」
--日本の選手をどう見ているか
「宮原知子選手(19)は一つ一つ丁寧に美しく、日本らしい職人のような繊細な部分が持ち味。本当にコツコツと練習をし続けられる努力と才能を持っている。あれほどまでに練習を重ねる選手を見たことがない。坂本花織選手(17)は急に出てきたが、試合を重ねるごとにベストを更新しているので、この勢いのままでいってほしい。大きくて放物線を描く、ダイナミックなジャンプが持ち味。今の自分が五輪でどこまでできるかというチャレンジする気持ちでやってほしい。二人の全く違う個性を存分に出すことができたら、かなりメダルを期待できる」
--男子選手はどうか
「羽生選手は周知の通りけがの治り具合によるところもあるが、高難度の4回転を何種類、何本という時代の中で、いまの彼は非常に質の高い、誰もまねのできないレベル。完成度の高さに安心感があり、絶対王者としての活躍を期待していきたい。宇野昌磨選手(20)は本当に挑戦者の立場で、挑み続けている。その姿勢を崩さず、彼が挑戦していたものができれば、表彰台で日の丸2つも夢ではない」
--4年に一度の五輪。国を背負う代表のプレッシャーは
「感じないようにと思っていても、感じざるを得ない部分がある。ここまでの代表争いを勝ち抜いてのせっかくの五輪なので、プレッシャーに翻弄されることなく、ぜひやってきたことを信じてほしい。応援を味方に変えて、せっかくの機会を味わってほしいと思う」
■アジア人はフィギュアに有利
--日本はなぜフィギュア強豪国になれたのか
「2006年トリノ五輪で荒川静香さんが金を取ったことで、スケート人口がぐっと増えた。北米が強かったが、アジア人初のフィギュアの金で、日本人でもこれだけ活躍できるという、親近感のあるお手本ができた。他の競技でいうと、陸上100メートルでは『9秒の壁』とか、一人が超えると自分にもできるかもと、ハードルがぐっと低くなる。選手だけでなくコーチも、これで戦っていけるという意識が変わる。
今の選手を見ると、北米でもアジア系が多い。フィギュアに向く体形という点では有利ではないかと思う。回転する競技なので、骨格があまり大きくない方がいい。もう一つは、師弟関係。上に従いコツコツと努力するというのが、フィギュアの競技では非常に向いている。日本のいい所は、とことん追求して日本人に合う練習方法を目指す。決して海外に比べて練習環境はよくはないが、そこで生む集中力、どんなコンディションであっても、そこで練習するというのが強くなっている」
--自身の選手生活の中で、育成はどうだったか
「出身の愛知県では、伊藤みどりさんの存在が大きかった。身近にトップ選手を見られたり、一緒に練習する環境はすばらしい。子供たちにとって見て学ぶことが一番吸収できると思う。私の場合は、仙台の合宿で荒川さんがいて、同じ空気を感じたことも、目指すべきものが視覚として感じることができた。そこが一番刺激的だった」
■フィギュアは「西高東低」
--環境面での課題は
「才能がある人たちが続けられる環境づくりが必要。リンクを持っている大学は少なく、西高東低と言われる時代がずっと続いている。ロシアなどは、一日中練習ができるいう環境があり、これに対抗していくのは非常に難しい。東京にはナショナルトレーニングセンターがあるが、そこにスケートリンクができれば環境面では随分改善できる」
--選手の育成に向けては
「トレーナーやドクターなどが連携しないと、選手生命が短くなってしまう。これまではコーチと選手だけの関係だった。それをもっと広げて、科学や知恵を使って全体でサポートしていく必要がある。フィギュアのルール上、どうしても技術的な負担が大きく、選手生命が長くなれない。国際スケート連盟も、危機を感じている部分だ。どうしても10代で使い捨てのように終わってしまうこともある。フィギュアスケートという競技は、技術だけでなく、芸術の部分も含めている。人生の経験が深みを増して、演技に厚みが出る前に終わってしまうのはすごくさみしい。その部分の評価が変わってくるのかなというのがある」
■「ジャンプ大会ではない」
--フィギュアは今後、どう進化していくか
「スポーツである限り、現状よりももっとジャンプの進化を求めるのがアスリートとして当たり前だが、フィギュアはジャンプ大会ではない。他にスピンや、ステップもあり、表現力という要素が加わって楽しませてくれる。フィギュアは本来『滑る』スケーティング技術がベースになり、その部分がもう少し重視されてくれば、息の長い選手を生む。いまは飛べればいいということになっているかもしれないが、スケートの基礎力が大事。小さいときから、スケートの基礎がしっかりできると、体が大きくなろうと技術は失われない」
ソース:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180203-00000529-san-spo
以下ヤフーコメント
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きのこのこ元気の子
>フィギュアは本来『滑る』スケーティング技術がベースになり、その部分がもう少し重視されてくれば、息の長い選手を生む。いまは飛べればいいということになっているかもしれないが、スケートの基礎力が大事。
ほんとこれ。
フィギュアスケートはジャンプ大会じゃない。
もちろん、スポーツである以上、多種類のジャンプが跳べるようになることは大事なんだけど、もっとスケーティングにも注目してほしいよね。 -
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羽生選手の『SEIMEI』大好きです。美しい演技を期待しています。
https://www.youtube.com/watch?v=3BoVFhJmvEU
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Heiz
鈴木さんがどれだけ情報を得ているか分からないが羽生選手の事だから
オリンピックではきっとやってくれると思う。 -
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回転不足をとられる、とられないのジャッジが曖昧なのが困るな。
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sat*****
資金も膨大に必要だし、裕福かつリンクやコーチのいるエリアの子供しか本格的にできないのが日本の実情。続けてもトップ選手以外は大学卒業と同時に引退が普通。言われてるように選手とコーチだけの関係だから、陸上や水泳のように、最新の科学やテクノロジーや医療サポートが整ってる訳でもない。ドラッグに関する知識や、女子の生理などについても認識が不十分なコーチも多いだろう。
日本は先進国なんだし、もう少し才能あり優秀な選手が心置き無くスポーツに打ち込めるような支援があればいいのにと思う。
以前羽生君がANAスポンサーにも関わらず、エコノミークラスで現地入りしたと聞いた時、どの競技もそうだけど、もっとなんとか出来んのかとほんと思った。 -
ぐらすわんだー
羽生「僕は大丈夫!」
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yk5*****
さすが明子ちゃん、良い事いうなあ。
説得力がある。