初めての五輪で堂々の銀メダルを獲得した宇野昌磨。日本フィギュアスケート界の弟分がやってくれた。絶対王者を脅かすほどの演技はもちろんだが、メダル獲得後に見せた「天然ぶり」でも、多くの人を笑顔にした。
* * *
平昌五輪で銀メダルを獲得した翌日の記者会見。宇野昌磨(20)の天然な性格を象徴するような一幕があった。質疑応答中にウトウトして、ハッと気づくと思わず苦笑い。平昌はあくまでも一つの試合という位置づけだったから、緊張することなくいつも通りの演技ができた。
「最後まで、五輪に特別なものは感じなかった」
と言ってのけるのだからすごい。強心臓でつかんだ銀メダルだった。
5歳の時、遊びに行ったリンクで浅田真央に誘われてフィギュアスケートを始めた。天性のセンスとたゆまぬ努力。小さい頃は朝から晩までリンクにいて、毎日泣きながら練習した。男子のトップスケーターには必須のトリプルアクセル(3回転半)は、5年がかりで習得。1日数十回跳ぶのですら大変なジャンプを、100回跳んだ。
●表彰台に立っても涙
根っからの負けず嫌い。トランプ、ゲーム、スポーツ……。負ければ敗因を分析し、次にどうやって勝つかをひたすら研究した。四つ下の弟・樹さんは言う。
「テニスで戦った時、最初は僕のほうがうまかった。でも、次に対戦した時は、サーブも、スピードもレベルが上がっていて、見違えるようになっていた。それはゲームや遊びでも同じ」
勝負には徹底的にこだわる。小学6年で初出場した2009年の全日本ジュニア選手権で3位。優勝した羽生結弦(23)と並んで立った表彰台で、ひときわ小さい宇野は泣いていた。回転不足を取られ、演技の内容に不満だったのだ。ホテルでも泣きじゃくるほど、悔しがった。
15年にシニアに転向してからは、急成長を遂げた。苦手だったジャンプは武器になった。樋口美穂子コーチはこう話す。
「ジャンプが跳べるようになって、評価されるようになってから、苦しい半面、楽しみがあるって思えるようになったのかな」
ここ数年でようやくスケートを楽しめるようになった。
●加点のつくジャンプを
平昌五輪は、けが明けの羽生との今季初の直接対決。
「ユヅ君に勝ちたい」
と奮い立ったが、シニア7回目の挑戦でも勝てなかった。
「羽生選手や(3位の)ハビエル(・フェルナンデス)選手を見て、自分に足りないものはジャンプをただ跳ぶことだけではなくて、加点のつくジャンプを跳ぶことだと思った」
表彰台に乗った3人のうち、フリーでは、高難度のジャンプに挑んだ宇野の基礎点が一番高い。だが、出来栄え点(GOE)では2人を下回った。羽生は二つの4回転ジャンプで3点満点の評価を受けるなど、GOEだけで16.99点を稼いだ。それが宇野は7.87点。上に行くためには、ジャンプの質を高め、完成度を上げることが必要だ。
17年4月の世界選手権、12月のグランプリファイナル、18年1月の四大陸選手権、そして平昌五輪と2位が続いている。
宇野の分析は冷静だ。
「コンスタントに大崩れすることもなく、爆発的な演技をすることもなく、ずっと2位を取り続けている」
頂点に立つには欲が足りない?と問われると少し間を置いて、
「欲というより、経験や実力が(足りない)。加点のつくジャンプが練習ではできていても、試合ではつまったジャンプになってしまうので、試合でも出す経験が必要かな」
羽生の強さを改めて目の当たりにした五輪の舞台。自分に足りないものにも気づけた。
「羽生選手は最大の目標で憧れ。いつまでも追いかけ続けたい」(朝日新聞スポーツ部・野田枝里子)
2018.2.26 16:00
AERA
https://dot.asahi.com/aera/2018022600079.html?page=1
あっさりインを突いて抜き去るのも作戦さ
全日本は羽生がいなかったから優勝してたけどそれを強調したかったのかな
どの試合も同じって言ってたの嘘じゃん
五輪より全日本がすごい
自分すごい
相当ダメージ大きいんだな。
人生かけてオリンピックに挑んだのはわかった。
今後どうするかな?
弟を見てる気持ちになる
今回の五輪も銀なのに全然話題にならない。羽生、スピードスケート、カーリングの三点セット