大幅なルールの改正が行なわれることになりそうな来季のフィギュアスケート(正式には6月にスペインで開催される国際スケート連盟(ISU)の総会で決まる)。ジャンプの基礎点がこれまでよりも下げられたり、出来栄え点(GOE)の加減点がプラスマイナス3の7段階から、プラスマイナス5の11段階に拡大されるなど、採点に関するルールの改正のほかに、特に男子フリーが大きく変わる可能性がある。
演技時間が現行の4分30秒から4分に短縮され、これにともなってジャンプの数も8本から7本に減る。女子フリーと同じになるというわけだ。
この改正にはオッタビオ・チンクワンタ前ISU会長の意向が大きく働いたと言われる。イタリア人でショートトラック出身者であるチンクワンタ氏は、かねてから「なぜ、フィギュアでは男子だけ4分30秒でなくてはならないのか」という疑問を投げかけ、男子も女子同様に4分にすべきだと提案をしていた。さらに近年、ジャンプの高度化が著しい男子の負担軽減という側面もあるようだ。
演技時間が短縮され、ジャンプが1本少なくなると、どのようなプログラムになるのだろうか。日本スケート連盟の強化部長を務めた経験があり、現在も国際審判員として活動する吉岡伸彦氏は次のように予想する。
「ジャンプが8本から7本になると、おそらく一番簡単なジャンプを1本減らすことで対応することになるのではないでしょうか。例えば羽生選手のプログラムで言えば、ステップから軽々と跳んでいる3回転フリップのようなジャンプを跳ばなくなるわけです。それだけのことで済むといえば済むのです」
だが、時間が短くなるから負担が減るかというと、そうは言い切れないという。
「曲の中でストレスなくジャンプを跳べるような選手であれば、当然のようにこの変化に対応できると思いますが、構えてジャンプを跳んでいるような選手にとっては、30秒の演技時間がなくなることはすごく大きな影響を与えるかもしれません。トランジション(技と技のつなぎ)など、プログラム全体を見せる余裕がなくなってしまうからです。ISUが意図するように男子の負荷を減らす目的で演技時間を4分間にしても、4回転ジャンプを跳ぶ男子選手にとっては、実際には負荷がより掛かってくる可能性もあります」(吉岡氏)
一方、時間短縮で男子スケーターの迫力ある滑りやパワフルな演技という醍醐味が薄れるのではないかという心配もあるが、吉岡氏は「女子やジュニア男子は4分間でファンを魅了するプログラムを見せている」と言う。
「総合的に判断すれば、レベルの高い上手な選手にはさらに有利になり、力の差がつきやすくなると思います。音楽のなかでジャンプを跳べる選手が有利になるという意味では、フィギュアスケートとしては結果として、いい方向にいくのではないでしょうか」(吉岡)
さらに今回のルール改正では、演技後半のジャンプは基礎点の1.1倍の得点になるというボーナスルールに、何らかの形で制限を加えるという話も急浮上している。その背景には、五輪シーズンに鮮烈なシニアデビューを飾り、女王の座に上り詰めたアリーナ・ザギトワの最強プログラムが影響しているのは想像に難くない。
もともとこのボーナスルールは、前半に難しいジャンプを全部入れて、後半がスカスカになるようなプログラムになるのを防ぐためのものだった。そこに、得点増を狙って後半にすべてのジャンプを跳ぶ選手が現れた。プログラム全体にバランスよくジャンプが配されるという本来の目的からすれば、これもまた一種の逸脱だろう。
ザギトワのプログラムを「本来の”いいフィギュアスケート”からは少しずれてしまっているのではないか」と評価する吉岡氏は、「後半に跳べるジャンプの数を制限するか、例えば得点が1.1倍になるジャンプを最後の3本だけにするというようなことが検討されているようです」と言う。
こうしたルール改正が行なわれれば、ひとつひとつの要素の質を上げて、プログラム全体の完成度を上げる方向に向かうと予想される。来季はこれまで以上に見ごたえのあるプログラムを多くの選手が見せてくれることになるかもしれない。
ソース:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180511-00010006-sportiva-spo
ヤフーコメント
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mgr*****
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「新ルールは羽生に有利」ではなく、
「正しい技術があり質の高い滑りが出来ている選手たちは、どんなルールに変わっても対応できる」
というだけの事だから、特定選手だけ有利みたいなタイトルをつけないで欲しいあと選手によっては、踏切の誤魔化しや回転が足りずグリ降りしてるジャンプに、
どう見ても+3じゃ足りないような他の選手の完璧なジャンプとほぼ同じ位のGOEが与えられてるのが現状だから、
新ルールでGOE幅が増えても、結局ジャッジが正しくつけてくれないなら意味がない -
yuk*****
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有利になるのかどうか神のみぞ知ると思うけど、羽生選手以上の演技が出来る選手は今のところいないと思います。
羽生選手の新しいプログラムが今から楽しみですね。 -
tam*****
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ルールを変更すれば、不利有利は当然出るが、羽生君の場合は、ジャンプ、ステップ、スピンどれをとっても一流の上、出来栄えも素晴らしい。多くの選手がやる飛ぶための貯めもなくいきなり飛べる。羽生君有利というより、万能だから対応できるといったほうが語弊がなくいいと思う。
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oka*****
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アクセルの基礎点が他より下がるのが本当なら、
どうして?と思わざるを得ない。
羽生君はもとより、、それよりも
ロシアや日本女子への影響の方が大きいんじゃないの?前にプルシェンコがオリンピック前にアメリカに邪魔されたことあったけど、
あれの再来なのかも知れない。 -
jks*****
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有利かどうかはわかりませんが、少なくとも不利になることはないかと。
羽生くんなら、ルール改正にも十分対応できる。
来季が終わった時には、羽生くんがランキングトップに返り咲いているはず!^-^ -
ann*****
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4分30秒が4分になるという事は、約1割程の時間が削除されることになる。そう考えると、決して少ない短縮時間ではない。
確か国際審判員の岡部さんという方が、今迄は、曲の半ばくらいで、少し息をつける時間があったけれど、改正されるとその時間は確保出来ず、演技を凝縮して見せる形にせざるを得ない。と仰っていました。だから体力的には却ってハードなんだと思います。
また元々無駄のないトランジションがこなせる選手には大きく影響はないと考えるられます。特に羽生選手の様に流れに乗り美しいトランジションをこなせる選手にとって恐れることはないと。
というか、羽生選手にとってはルール改正がどうのというレベルから超越していると思うので、ルール改正に当然合わせた上で、「どうだ!」っていう感じで、「見せる」演技をしてくれるでしょう。 -
ソチコ
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パトリック、フェルナンデスも20代後半で迎えた平昌五輪は体力的な難しさを語っていた。
羽生結弦も、もし北京を目指すなら27歳で迎える事になる。
正直その年齢では4A、4lzはかなり難しいし、構成は平昌五輪と同じ構成が現実的な気がする。
多分だけど、、五輪 3連覇ではなく、体力のある20代半ばまでに4A、また5回転を成功させて、歴史に名を刻んでから引退が現実的な目標だと思う。 -
kur*****
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羽生選手の場合は30秒短くなるともう少し観たいと思われるかもしれない。でもより完成度の高い演技になり、質の高いジャンプ、スピンの加点で他の選手と差がつきやすくなりそう。
得点はどうなるのか?ジャンプの回数と基礎点が減ることで全体的に下がるなら世界新が見れなくなり、そこは残念。
ジャンプの加点がもともと少ない宮原さんがちょっと心配。頑張って欲しい。 -
son*****
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フィギュアは完璧であり華麗なジャンプが求められるのが当然だと思います。
アメリカのネイサンチャンや中国のボウヤンジンみたい、とにかく4回転ジャンプを多く飛べばいいってもんじゃない。羽生みたい綺麗にジャンプが飛べるから得点も増えるような今度の改正案は正しい方向だと思います。