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フィギュア女王・ザギトワ 祖母が明かす過酷な練習の日々「バタンキューです」

史上3人目となる15歳でフィギュアスケートの五輪女王に輝いたアリーナ・ザギトワ。幸せを感じる一方「心にぽっかりと穴が開いた」と振り返った。その言葉の裏には、壮絶な日々の練習があった。

その差は、わずか1.31点だった。2月23日、平昌五輪のフィギュアスケート女子。五輪史上に残る僅差の名勝負を制したのが、アリーナ・ザギトワだった。

(演技中は)手が震えていた。でも、体が練習で繰り返したことを覚えていた

重圧をはねのけての金メダルだった。

祖国のロシアは、国家ぐるみのドーピング問題に揺れる。国際オリンピック委員会(IOC)は、国としての参加を認めなかった。ザギトワは「ロシアからの五輪選手(OAR)」として個人資格で出場。ライバルは同じくOARで、しかも同じエテリ・トゥトゥベリーゼコーチに師事する世界女王で18歳のエフゲニア・メドベージェワだった。

21日のショートプログラム(SP)から、2人は激しく火花を散らした。まずはメドベージェワが完璧な演技を見せた。自身の持っていた世界歴代最高記録を0.55点更新する81.61点。だが、2人おいて滑ったザギトワは「ナーバスになっていた」と振り返ったものの、さらにそれを上回る82.92点をたたき出した。出場全選手で唯一構成に入れた3回転ルッツ─3回転ループの2連続ジャンプを鮮やかに決め、1.71点を稼いだ

23日のフリーは、ザギトワが先にリンクに立った。七つあるジャンプ要素の全てを得点が1.1倍になる演技後半に組み込む高難度のプログラムだ。最初に跳ぶのは、最大の得点源の3回転ルッツ─3回転ループ。だが、2連続にならず単独になった。

ショックだった

だが「乗り越えなければならない試練」と瞬時に切り替えた。二つの連続ジャンプを決めた後、さらにスピードを上げる。そして、単独の予定だった3回転ルッツに3回転ループをつけた。体力の消耗が激しい中、13.91点を得る美しいジャンプで、ミスを帳消しにした。演技を終えると、右拳を握りしめ、笑った。

最終滑走者はメドベージェワだった。トルストイの名作『アンナ・カレーニナ』の物語を巧みに表現し、完成度の高さで観衆を魅了した。だが得点は、ザギトワと同じ156.65点。SPのリードを守り切って金メダルが決まると、控室にいたザギトワは涙を浮かべた。

シニア1年目で、無敗で五輪女王に駆け上がった。15歳での金メダルは史上3人目の快挙だ。栄冠を手にしたザギトワは「とても幸せ」と素直に喜びを表現したと同時に、こんな思いも去来したという。

心に穴が開いたような気分になった。10年近く頑張って、いろいろなものを乗り越えて手にした金メダルだったから

ザギトワの故郷は、ロシア西部のウラル山脈の近くに位置する人口約60万人の都市・イジェフスクだ。この街で4歳の時に、フィギュアに出合った。6歳から本格的に競技を始め、2015年から祖母のナジリャさんと一緒に首都・モスクワに移り住み、練習を積む。

イジェフスクから24時間、列車に乗るのよ」とナジリャさんは言う。

練習拠点は、モスクワ市の国家指定の五輪選手養成クラブ「サンボ70」だ。14年のソチ五輪団体金メダルのユリア・リプニツカヤらを育てた名門クラブ。競技者を目指す約200人と、その予備軍500人の子どもたちが所属する。

日々の練習は、過酷を極める。午前9時半には自宅を出て練習を開始。昼の休憩時間を挟んで、午後3時半から8時過ぎまでトレーニングを積む。練習を見ながら、コーチはジャンプなどを採点し、改善点を指摘。「いかにして得点を稼ぐか」を徹底的にたたき込まれる。選手はテストを繰り返し受け、ふるいにかけられる。

孫は家に帰ってきたら、いつもボロボロ。お風呂に入ったら、バタンキューです」とナジリャさんは語る。それでも、決して練習を投げ出さないという。

自分の目標を達成するためには、ものすごく努力します。どこか痛くても言わないし、やり遂げる。とても善良な孫です」

体形を維持するために、食事も制限する。国際大会で優勝した時にナジリャさんが作る寿司ロールを食べるのが、つかの間の息抜きだ。

金メダルの歓喜から1カ月半が過ぎた4月上旬。アイスショーのために来日したザギトワに、次なる目標を尋ねた。だが「特に自分に目標を立てるということはしない」と素っ気なかった。22年の北京五輪で連覇したいかと聞いてみてももう答えましたよね? 先のことは考えないって」とかわされた。

来日直前の世界選手権では、フリーで3度転倒するなど精彩を欠き、5位に沈んだ。シニアで初めての敗北だった。「サンボ70」の後輩で、13歳のアレクサンドラ・トルソワは、3月の世界ジュニア選手権で女子史上初となるサルコー、トーループの2種類の4回転ジャンプを成功させた。

北京五輪に向け、さらなるレベルアップが予想される女子フィギュア界。その中で、どんなスケーターを目指すのか。ザギトワはこう語った。

良いスケーターでありたい。今日を一生懸命生きることしか、考えていない

(朝日新聞スポーツ部・前田大輔)

※AERA 2018年5月21日号

ヤフーコメント

  • lic*****

    | 

    華やかな世界ですが、表舞台に立つには想像を絶する練習があると思います。
    しかもまだ15歳。
    秋田犬も欲しくなるよね。
    まだまだ頑張って欲しい。
    応援しています。

  • *****

    | 

    なんかこの記事に限らずロシア語の翻訳って妙にきつい言葉に訳されるような気がする。ストレートな言い回しをする人たちではあるのかもしれないけれど、「今日を一生懸命生きることしか、考えていない」のところも、多分英語だと違う雰囲気の言葉で訳される気がする。
    リプニツカヤさんやコーチの発言を見たときも同じことを思ったけれど、ロシア人は厳しい性格だという前提ありきで訳してない?と思うことがある。

  • yam*****

    | 

    ザギトワさんの負けず嫌いは凄いね・・・
    負けず嫌いで無ければ優勝は出来ないよね・・
    頑張ってね・・・・可愛いね

  • lal*****

    | 

    過酷なスポーツやな〜!

    転倒した時も氷の上に叩きつけられるし、激痛やと思う。

    観てる方はワクワクするけど、演じてる方はメッチャ大変そう!

  • mar*****

    | 

    この記事を読んでしまうと、ルール改定してシニア参戦を遅らせても、厳しいトレーニングが長期続くことで疲弊してしまいそう。ストイックなアスリート生活は怪我も心配だし、精神的にも負担が大きい。ましてや国内選考が厳しい国では過酷すぎる。

  • zzz***

    | 

    9:30家出発〜20過ぎまでトレーニングなんて恵まれてる。

    日本の選手は、枠によっては4時起床〜朝練〜学校〜夕夜練、自宅で陸トレ、寝るのは23時という日もある。

    成長期の子供ですらそんな生活。

  • mt ****

    | 

    ロシアってめちゃくちゃ環境いいよね。これはフィギアスケートに限らず、新体操、シンクロナイズドスイミングなんかもそうだけど。国を挙げて選手を育成しているからだろうね。
    日本のフィギアスケートクラブは、早朝練習(4時、5時から)→学校→一般滑走で練習(ただし、一般のお客さんもいるから、ジャンプは禁止)→夜間の貸切練習。しかも、リンクが通年じゃない所のクラブチームは春、夏は県外遠征して、練習。
    しかも、県外遠征した時は、1つのリンク内で、沢山のクラブチームが密集して練習するから、他のクラブチームに気を使いながらぶつからないように練習しなきゃならないし、一般滑走の時なんかスケーティング練習なんかは貸切の時じゃないとできない、スピード出してジャンプも飛べない。もう少し、日本のスケ連もリンクの事情や、環境を考えてくれると、いいんだけどね。

  • yus*****

    | 

    ものすごく頑張ってきて、
    次なんてすぐ考えられない。
    10代の頃しかできないことをやってほしいとも思うし、
    ほかのプログラムを踊っている彼女も見てみたい。
    ザキトワとメドちゃんの戦いも
    ちょっと見てみたいしな。。。
    戦いじゃないって言われるかもしれないけど、
    オリンピック面白かったもん。
    個人的にメドちゃんの演技をはじめて好きになったのが、オリンピックのフリーだった。
    素晴らしかった!

  • pre*****

    | 

    ロシアっ子はクールやな?

  • bmw*****

    | 

    選手の数からして、激しい競争の中から這い上がるだけで大変なんだろう。頂点のレベルを如何に維持するか?。想像を絶する毎日を、又、続けなければならないと思うだけで萎えてしまいそう。まだまだ若いのだから、色んなことを経験ても良いのだし。本人の意志を尊重してあげましょう。

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コメント一覧
  1. 1 名無しの王子 : 2018年05月22日 20:32
    ID:IyNTQ0MDE

    そんな金メダリストの威光にあやかろうと、今日も日本はモノマネ芸人が面白おかしく売名行為

  2. 2 名無しの王子 : 2018年05月22日 21:09
    ID:c5Nzk1MDk

    偉大な事をしたのに、『ハイ、次は~?』みたいなノリで毎回インタビューするのって確かにどうなのって思う。
    これに限らず、羽生君とか真央ちゃんとか、マスコミが集る選手達はみんな、試合直後に結果がいいにせよ悪いにせよ、今おわったばっかりなんだからもうすこし一呼吸おかせてあげてよみたいな質問されまくってた気がする。しかも同じようなのを何度も。

  3. 3 名無しの王子 : 2018年05月22日 22:33
    ID:QyNDQyMTI

    サンボ70の子達はこれでもかと言うほど練習に明け暮れているからこそ毎回自信に満ちた演技が出来る。ノーミス、リカバリーはお手の物。
    日本に比べ何十手も先を猛進中。日本にはただただ追いついて欲しいばかり。

  4. 4 名無しの王子 : 2018年05月22日 22:57
    ID:MzODg1MzM

    競技者を目指す200人とその予備軍500人がサンボにいてロシア国内には他にも養成施設あるし、その全部の中で3人しか四年に一度のオリンピックに選ばれなくてって…これは厳しい。本当に虎の穴だよ。

  5. 5 名無しの王子 : 2018年05月22日 23:01
    ID:k1NTk1MzA

    ※4
    ってことは、ザギはエリート中のエリート。

  6. 6 名無しの王子 : 2018年05月22日 23:08
    ID:YyNjA0NDQ

    ※5
    しかも並外れた美人アスリート!

  7. 7 名無しの王子 : 2018年05月22日 23:57
    ID:I0ODExOTA

    過酷な日々だなぁ・・・
    動物で癒されるザギの笑顔はとっても貴重な瞬間だったのね

  8. 8 名無しの王子 : 2018年05月23日 01:39
    ID:Y4OTMyMzg

    ※3
    ロシアの本気だよな
    でも北米は練習時間を体に負担かけないようにだから

  9. 9 名無しの王子 : 2018年05月23日 03:16
    ID:k0NzkxNzI

    エテリさんとこって午後は紅茶しか飲ませてもらえないって聞いたことがある。アスリートメニューの栄養管理とデトックスをちゃんとやればもう少しは食べさせてあげられる気がするんだけど無理なんかなぁ。ロシアはそういうとこ弱いんかな

  10. 10 名無しの王子 : 2018年05月23日 05:55
    ID:YyMTA2MjE

    ※8
    なんで北米?ロシアと日本の話だよ。しかも女子選手のね。
    部活に毛が生えた程度の練習量では技量向上とモチベーション作りに限度があると思う。個人差と環境にもよるんだけどね。
    ロシア世界一はなるべくしてなった。基盤が整った今あとサンボ70は維持と向上を目指すのみ。

  11. 11 名無しの王子 : 2018年05月23日 07:56
    ID:A5Nzc4NTI

    15歳なのにきっぱり話す子だね
    見た目は美人で華やかだけど、精神的には超スポ根少女で、地味な練習を何度もくりかえしてきたんだろうな
    好感しかないわ

  12. 12 名無しの王子 : 2018年05月23日 08:25
    ID:QwOTA3ODk

    ザギトワちゃん好かれているうちに消えると好感度がこるけど
    ネイサンのようにしつこくしているとジャッジ買収まで暴露されて嫌われるよ

  13. 13 名無しの王子 : 2018年05月23日 10:56
    ID:A5NjgzODY

    例によって使い捨てされるのがオチ
    まあ持ってあと1、2年でしょう

  14. 14 名無しの王子 : 2018年05月23日 11:00
    ID:Y4ODcwMzA

    ザキトワ北京オリンピックも勿論応援しているよー。身体を大事にして良い演技を
    見せて欲しい。

  15. 15 名無しの王子 : 2018年05月24日 00:09
    ID:U3ODI0MDI

    婆ちゃんは本当にバタンキューって言ったのだろうか

  16. 16 lommeknive til salg : 2018年05月24日 05:40
    ID:gyNTY3ODM

    Ⅴery gοod post. I definitely loe this site. Keep it up!

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