―新しいプログラムについて教えてください。
「えっとー、うーんとぉ、どこから言えばいいんだ。今シーズンのフリーはシェイリーン・ボーンさんに振り付けしてもらったものです。曲は「アート・オン・アイス」。エドウィン・マートンさんの「アート・オン・アイス」で、まあ少し、もう一つ曲を使っていて、ちょっとアレンジもしているので。「陰陽師」をやっていて「SEIMEI」ってつけたみたいに、今回プログラム名としては「Origin(オリジン)」っていうタイトルをつけさせていただきました」
―理由は?
「英語で「Origin」なんですけど、自分のなかでは起源とか始まりとかいう意味を一番もたせたかったので、こういうテーマにしたんですけど。まずこの曲自体が、自分がある意味スケートに没頭した始まりであったりとか、または、そうですね、自分がこれから挑戦したいアクセルであったり、またはスケートを楽しむこと自体とか、そういったものを感じながらこのプログラムを滑りたいと思っているので。そういった意味で、自分のスケート人生の始まりというか、起源というか、なんか根源的なものを感じながら滑りたいなというふうに思っていました」
―以前滑っていたスケーターについて?
「あのお、やはりプルシェンコさんが滑っていた印象がすごく強くて、うんとお、やはり、彼の代表曲というか、彼を代表するプログラムの一つなので、そういった意味では、ええ、なんだろう、使わせてもらうのもさすがにちょっと気持ちが恐縮するような感じはあったんですけど、実際に「Continues~with Wings~」の時に、この曲を使わせていただきますということをプルシェンコさんにお伝えてして、それで許可をもらえて、「是非頑張ってね」という言葉をいただけたので、しっかり。彼の「ニジンスキーに捧ぐ」という素晴らしいプログラムはやっぱりずっと消えないと思いますし、僕のなかでもすごく大切なものなので、それとは別に自分のプログラムとして完成させることができたらなというふうに思っています」
―自分らしさの表現はどのあたりにある?
「そうですねえ…。まあ振り付け自体が本当にがらっと違うものになっていると思いますし、あとはなんか、なんていうんだろう。僕が小学校3年生、4年生の時にやっていたプログラムの「ロシアより愛をこめて」というプログラムがあるんですけど、ええ、その頃からわりとロシア系というか、ヨーロッパか、うんとお、なんていうのかな、ヨーロッパとかロシア流の表現の仕方であったり、曲であったり、物語であったり、そういうものが非常に自分のなかでも原点にあって。また教えていただいた都築先生だったりとか。都築先生の原点もロシアの方にあったりとか、そういったまあ、自分のなかでもその、ロシア系、旧ソ連系の教えだったり表現が入っているので、そういう意味ではこのプログラムはすごく自分のある意味、原点に返った感じでやっていますし、振り付け自体も、ただきれいに滑る、ただ、なんだろう、ありきたりの表現をする、手の使い方をするっていうものだけじゃなくて、まああの、随所にいろんなジャンプが入っていたりとか、音のはめかたもいつもと違った感じでできるのかなというふうに思っているので、そういったところがオリジナルになるのかなというふうに思っています」
―4回転アクセルは入れるのか?
「えっとー、まだ、入れる予定はないです。まあでも練習はしてます。はい」
―完成度は?
「まだ降りれていないので。まだ降りてはいないので、これからもうちょっと、もうちょっとというか、まだかなり練習しないといけないかなと思っています」
―SPは?
「ショートは、ジェフリー・バトルさんに振り付けしてもらった「オトナル」っていう曲です。このプログラム自体がジョニー・ウィアーさんがフリープログラムに使っていて、非常に印象に残っている。僕のスケート人生のなかでも非常に印象に残っているプログラムの一つで、僕が本当に彼のスケートに見入って、それこそ僕が、そこからスピンに手をつけたりとか、やわらかい表現であったり、ええ、曲の取り方であったり、ランディングの姿勢であったり、そういったもの一つ一つに注意をして、演技をするきっかけとなったプログラムの曲です。なので、これも先ほどの「Origin」と一緒にジョニー・ウィアーさんに「Continues~with Wings~」の時に、この曲を使わせていただきたいんだけどという話をして、それも許可をもらってきました。はい」
―ジャンプ構成は?
「ショートはサルコー、アクセル―トウループのコンビネーション、4回転3回転です。フリーは今のところ、4回転ループ、4回転トウループ、トリプルループ、4回転サルコー―3回転トウループ、で、4回転トウループ、今ハーフループってなんていうんでしたっけ。なんか新しくなりましたよね。なんか1回転挟んで、オイラー(Eu)? わかんない(笑い)。4回転トウループ、3回転サルコーのコンビネーションと。あとはトリプルアクセルのコンビネーションとトリプルアクセルの単発です」
―今季の目標は?
「目標(笑い)。そうですねえ。自分自身、結果としては先シーズン終わりからずっと言っているように、やっぱり結果としては自分としてはすごく満足しているし、達成感もあります。ただ、ええ、こうやって練習しているなかで、やはり自分の未熟さだとか、あとはアイスショーを通して、まだまだ磨くべきところ、成長すべきところ、自分の伸びしろであったり、そういったところを感じながら今滑っているので、一つずつ丁寧に確実に成長していけたらなというに思っています」
―「起源」を今季にもってきた理由は?
「うんとー、すごくはっきり言ってしまうと、自分のなかで、なんだろう、今まで、自分のスケートをしなくちゃいけない、期待に応えなくてはいけない、なんか、結果をとらなくてはいけない、というようなそういったプレッシャーがすごくあったのが今外れていて。で、これからはもう本当に自分のために滑ってもいいのかなと、本当に自分がスケートを始めたきっかけっていうのは、やっぱり楽しかったからであって、スケートを滑っていて。で、自分の夢を追いかけて。その過程が楽しかったからであって。その楽しかった気持ちとか、または自分が今まで歩んできた本当に大変だった道のりを色々思い返して、なんか、その自分に対して、なんか恩返しっていうか、なんか、うんとー、その自分が報われるようなことをしてあげたいなっていう気持ちもあって、この2つの曲にしました。やはり、あの頃に自分はプルシェンコさんやジョニー・ウエアさんの演技を見て、やっぱりこの曲使いたいなって思いながら滑っていましたし、また、この曲を聴きながら真似したり楽しんでいた自分がいたので、そういう意味でやっぱり、なんかこの曲を使って自分のプログラムとしてやったらすごく楽しいだろうなって思いましたし、まあそういう意味でも、自分が本当に初心に返ってスケートを楽しんで、スケート自体を自分のためにやるということを感じながら滑れるかなということを思いました」
―プログラムを完成させるための今の課題は?
「とりあえずは、まだジャンプが完全に戻っているわけではないので。しっかりとジャンプを自分の納得できるかたちにもっていくことが一番大事かなと。やはりジャンプが決まって、すべてがちゃんとそろっている状態ではないとプログラムが完成するとはいえないので。まずはジャンプをしっかり決めること。そのジャンプをしっかり決めるためにスケーティングをどういうふうにきれいにやっていくか、または呼吸の仕方であったり、まだまだ滑り込めていない部分は多々あるので、しっかりと滑り込みだったり、本当に一つ一つ徐々にやっていくしかないかなと思っています」
―現在の4回転ジャンプの状態は?
「とりあえず、ルッツ、フリップ以外の、ええ、今まで跳べていたジャンプ…ごめんなさい。もう一回言います。4回転トウループとサルコー、ループまでは現状戻ってきたかなという感覚はあります。で、ルッツに関しては特に、まだちょっと不安がある状態ではあるので、ルッツはしばらくやめておこうかなと思っています。ただ、感覚としては、まあやれば跳べるかなという感覚はあるんですけど、とりあえず、足のけがを再発させないように、炎症を起こさないようにという意味で、しばらく4回転ルッツはおさえておこうかなというふうに思っています。けがの状態はおかげさまで、安定してきていて、もちろん、さきほど言った通りに、ルッツやフリップなどでトウをついた時に違和感を感じることはあるんですけれでも、ただ、なんだろう、痛みとして自覚することはほぼなくなってきているので、しっかりと、ええ、ケアしながら、ケアしていただきながら、また自分でコントロールしながら、まあ今シーズンやっていきたいなと思っています」
―新しいプロはいつ決めた?
「えっとー、曲自体は両方ともなんですけど、オリンピックが終わって、それから1か月間本当にスケートができない状況だった時にずっと考えていて、まあある意味、さきほども言ったように、もう自分の、なんだろう、勝つとか負けるとか、そういったものに、固執する、しすぎる必要はないのかなというふうに思ったのと同時に、なんか、自分のために滑ってもいいかなっていうふうに思って。今シーズンこの2つの曲にしようと思いました」
―プルシェンコの反応は?
「なんかすごくうれしそうにはしてくれていました。ジョニーもそうで。もちろん自分にとってはすごく恐縮であったのは、もちろんあって。話し出すタイミングとか、すごく緊張した思いはあるんですけど、本当に快く受け入れてくださいましたし、やはり、僕はプルシェンコさんではないので、まったく違ったものになっていると思いますし、これからももっとしたいなとは思っているので、そのむねは両選手…じゃないな、両スケーター? に伝えて、ええ、了承を得ていますし、そのうえで、自分もまあ、オリジナルにはしたいとは思っているんですけど、彼らへのリスペクトであったりとか、そういったものを非常に持ちながら、滑っていきたいと思っています」
―初めてプログラムを見た時のことを覚えている?
「本当にあのお、なんだろう。プルシェンコさんはもういわずもがな、もうずっと…うーん、なんだろう、うーん、ずっとこういうふうになりたいなっていうふうに思いながら見ていて、なんていうんですかね、あんまりこういう…かっこいい曲というか(笑い)、なんかうーん、なんていうんだろうな…ある意味自分がまだ使ったことがないジャンルの曲ではあったので、小さい頃からやりたいなって思ってました。で、まあずっとやりたいなと思っていたんですけど、やっぱり彼の、代表的なプログラムでもありますし、やっぱりそこは、自分が使うべきではないなとか思いながら、ずっと我慢していたんですけど、オリンピックが終わって、いいかなって思って、やりました。えっとー、なんて言えばいいんだろうな(笑い)。やっぱり小さい頃に一番思ったのは、あれを滑っている時の、ニジンスキーを滑っている時の圧倒的なオーラであったりとか、またはそのー、ニジンスキーのポーズであったりとか、一つ一つその音にあわせている動き、ジャンプ、そういったものにすごく惹かれた記憶があります。ジョニーの「オトナル」に関しても、僕らは「秋によせて」ってずっと思っていましたけど。「秋によせて」は、なんだろうな…。衝撃的だったのはやっぱり、男性だからこそ出せる中性的な美しさっていうのが彼の一番の魅力だなと思いましたし、あの頃って、あのー、ジャンプのGOEとかそういったものって、直接目に見えて評価されていたわけじゃないんですけど、やはりジャンプを降りた時の流れだったり、姿勢の美しさ、音にあわせたジャンプだったりとか、一つ一つの丁寧さだったり。一番はランディングの美しさ。その流れが。やはりそこにすごく惹かれて。自分もこういうふうにとびたいな、滑りたいなと思っていた記憶がすごくあります」
―何回くらい映像を見ている?
「いやあ…ぼくほんっとうに、ええと、中学生くらいまでですかね、本当に他の人の演技ってあんまり見ないタイプで。自分のスケートもそんなに見てないんですけど(笑い)。ただ、プルシェンコさんとジョニー・ウェアーさんの演技は本当に何回でも見れていましたし、なんていうんだろう、むしろ、彼らの演技とアレクセイ・ヤグディンさんと本田さん以外はほぼ見ていないんじゃないかなっていうくらい(笑い)。ですね。はい」
―6・0の時の演技も見たりする?
「いまだに見ています。本当にあの頃のみなさんの演技がすごい好きで、ソルトレークシティーオリンピックだったり、その前のシーズンだったり、その前の前のシーズンだったり、その頃が一番自分自身がスケートに対して、なんか、なんていうんだろう、興味を持ち始めた頃なんですね。なんか、たしかに、スケートは始めたころから楽しかったですし、すごく先生方にも一生懸命教えていただいてはいたんですけど、なんか、自分自身その、なんだろう、この競技を極めたいとか、オリンピックで金メダルを取りたいとか、なんかそういった具体的な目標がないまま始めたんですね。だから、ある意味、彼らの演技があったからこそ、この世界で1位になりたいなって、この世界であのー、プルシェンコさんみたいにに金メダル取りたいな、1位になりたいなって思えた頃だったので、いまだに見て、すごく燃えますし。今アイスダンスとか、ペアだとか、いろんなかたがたの演技をけっこう見ています」
―どういうタイミングで見る?
「いやなんか、あのー、最近て、いくらでもおすすめみたいな感じで出てくるじゃないですか。動画を見ていると。だからなんか、自分の演技を見て勉強したりしている時に、たいていプルシェンコさんの映像から始まるんですけど(笑い)。ここらへんから出てきて(笑い)。その流れでうわーって全部見ちゃうかんじです。でもあの頃のスケートが、まあ今自分がやっているからかもしれないですけど、客観的に、なんだろう、自分が見た時にやっぱり一番心が震えるのは、やっぱりあの頃のプルシェンコさんだったり、ヤグディンさんだったり、ジョニーだったり、やっぱ、そういったかたがたの演技が一番心が震えています」
―五輪2連覇でスケートへの価値観かわった?
「まあ、やることはやりきったかなっていう感じはあります。そのー、まあでも結果に対してです。まだ自分のなかの向上心というか、なんだろう、夢が実際、目標がまだしっかりあるので、まあ具体的にこういうふうに成長したいとか、こういうふうになりたいとか、これ跳びたいとかは強くありますけど、結果としての追い求めてきたものは達成できたので。とにかく今自分のスケートをどうやって強くしていくか、うまくなっていくかということを考えながら滑っています」
―そんななかでのモチベーションは今どういうところに?
「は、アクセル!(笑い)。やっぱりアクセルが一番の僕のモチベーションではあります。ただ、やっぱり、今練習はしているんですけど、毎日はできなくて、やっぱり体の状態とか、ええ、まあ足首の不安はそんなにないんですけど、やはり衝撃はものすごく大きなジャンプなので、まあ体調をみながらやっていて。やっぱり難しいなって思うながら。ただ、あのー、すごく思うのは、やっぱりアクセル好きだな、っていうのはすごく思っているんで(笑い)、楽しいですね、やっていて。非常に、まあ、まだ跳べていないですけど、跳べるまでの過程だとか、そういったものも一つ一つ楽しみながら、すごく頭を使いながら練習しています」
―投入の目処は?
「いや、もう跳べるんだったら、もうここまでに跳んでおきたかったんですけど(笑い)。今日までに跳んでおきたかったんですけど、まだ難しくて。まだできていないところもあって。ただ、あのー、ループまでは、だいぶうん、まあオリンピックの時よりはうまくなったなと自分では思っているので。ちょっとずつ、えー、体を戻しつつ、まあアクセルにもその動きだったりとか、筋力的なものだったりとか、そういった一つ一つの強さだったり、そういったものがつながっていけばいいなとは思ってはいます」
―今季中に跳ぶ可能性は?
「今季で、やっておきたい。っていうのは自分のなかでは思っていて。そういう意味でも「Origin」ってつけたところはあって。やはり自分の根源にあるものっていうのは、やっぱり、小学校低学年の時に、本当1時間の練習45分くらいアクセルしかやっていなかったので(笑い)。そのアクセルへの思いとか、アクセルの難しさとか感じながら、それを降りた時の達成感とか、そうういったものがスケートを好きにさせた大きな要因ではあったので。その、アクセルを大事にしたプログラムでもあるのかなっていうふに思います。なので、できれば、今シーズンやるつもりです」
―やるならフリーの冒頭?
「そうですね。最初のループのところに入れます」
―今は本数制限をしながら練習?
「本数は制限はしていないです。ただ、毎日はできないので。あのー、やはり筋肉的な負担もかかりますし、一番効率いいところ、筋肉が疲労しすぎず、ただ、筋肉がちゃんと、ええ、回復して、技術的にも向上できるようなタイミングで計算しながら練習しています」
―新ルールになり、得点がリセットされるが、新方式でも記録を狙う?
「とくにはないです。はい。もうあのー、自分としては、やっぱりあのー、3つのプログラム「SEIMEI」「バラード第1番」そして「ホープ&レガシー」が、あのー、記録として残ったということはすごく、正直言ってびっくりしましたし(笑い)。あとは正直言ってすごくうれしいなという気持ちもあったので。まああとは、若い世代が、若い世代っていっても自分と3つくらいしか違わないんですけど(笑い)。まあその世代が、あのー、新しいルールのなかでどういうふうに戦っていくのかはある意味楽しみでもありますし、自分は自分で、もうあの記録たちとは戦えないですけど、自分は自分で楽しみながらやりたいなと思います」
―新しいルールについて、オーサーコーチは他の選手にとっては大変だが、羽生選手は問題ないと言っていたが?
「僕はとくに…ルールに関して有利とか不利とか感じたことないですね。とにかく、ルールっていうのは、やっぱり、それにのっとって、勝ち負けが決まって、それにのっとって、ある意味、それが基準になって自分たちがうまくなったりしていかなきゃならない指標みたいなものなので。別にルールがどうのこうのっていうよりも、自分がその、さっきいった指標にあわせて、基準にあわせて強くなって行ければなと思います。ただ、なんか、一つだけ言わせてもらうと、僕ら4分半だったのが4分に変わってっていうのは、たぶん見た感じ、4分になって楽になったんじゃないかって、ジャンプ1本減ったしって、思うかもしれないんですけど、実は4分の方がきついっていう(笑い)。っていうのは最近感じています。忙しいんですよ。30秒なくなって。ジャンプ1本ってだいたいまあ20秒くらい使うか使わないかくらいで跳べますし、トリプルに関してはぼくたちはもう10秒くらいで助走含めてランデイングまで10秒くらいで跳べるので。そうすると20秒けずられることになるんですね。その分いそがしくなりますし、まあ勉強しながら、研究しながらプログラムを作らなきゃなと思っていました」
―昨季までは勝負にこだわってきた。先ほど、勝負に固執しすぎにと言っていたが、それによっての新しい発見は?
「まあでも、あのー、勝負、結果にこだわってきたのは、やっぱり、それがある意味夢だったからっていうのがあって、先シーズンはとくに、最終的に、自分の気持ちすらも抑えてやらなくてはいけない、そして自分の気持ちを抑えたうえで、最善の演技を実行しなくてはならないというすごく難しい状況で最終的にはできたんですけど。なんか、今はそのー、また違った夢を追いかけている状態なので、なんか、ある意味、そんなに気持ちは変わっていないです。っていうのが本音です。ただ、結果に向かって楽しむか、自分の夢である4回転アクセルに向かって楽しんでいるかの違いかなって思います。なんか、どっちにしろ期限までには跳ばなくてはならないというプレッシャーは感じてはいますし、あの頃はこの試合で勝たなくてはいけないという緊張感、プレッシャーを非常に感じながら毎日練習していたので。そのプレッシャーの大きさがちょっと変わったかなくらいですね。はい」
―五輪前はスケートがすべてだと言っていた。今も?
「そうですね。やっぱり競技者なので。そこは変わっていないかな。ただ、あのー、まあソチオリンピック終わった時もそうだったんですけど、やっぱり、みなさんがすごく応援してくださっている気持ちとか、見てくださっている気持ちとか、あのー、そういったものは一つ一つ感じながらアイスショーを終えて、今この状態に、この、クリケットで練習している状態なので。やはり、みなさんの力っていうのはすごいなって思いますし。やっぱりそれも込みで、自分のなんだろう、さっきからずっと楽しい楽しいって言ってますけど、そのー、それも込みで、競技者として楽しみたいなっていう感覚があります」
―自身が競技者としての終盤にさしかかったという気持ちはある?
「あります(即答)。それはあります。ただ、あのお、いつやめるとか、そういうのは全然考えていなくて。あのー、まあ、とりあえず、今アクセル跳びたいという気持ちが非常に強く。あのー、とりあえず、アクセルまではなんとかしたいなって思っています。はい」
―アクセルを跳んだらやめてしまう?
「アハハハ。うーん…それはもう、跳んでみないとわからないかなとは思います。ただ、とにかくまずは練習でしっかり降りること、で、あのー、自分のなかでの降りたっていう前提が、やはりGOEで加点をもらえるくらいのものではないといけないですし、やはり最終的に、いろんな方々がみて、いや、これ回転不足だろうって言われるような、指さされるようなジャンプでは絶対いけないとは思うので。自分が目指す最高のアクセルを目指して練習したいなとは思います」
―高橋大輔選手が復帰。
「僕の9つ上で、世代としては。なんか、本当にある意味、自分にとってはただひたすら憧れていた存在であって。また彼の競技者としての、やっぱり競技とアイスショーって全然違うっていうのはすごく自分も感じているので。その競技の張りつめた緊張感のなかでの、演技っていうのはすごく楽しみですし。あとは、一緒に滑る機会がもしかしがら全日本とかであるかもしれないので、楽しみです」