平昌控える宮原知子。苦しみの数だけ笑顔になれる。

４年に１度の冬季スポーツの祭典２０１８年平昌冬季五輪が、もうすぐ開幕する。フィギュアスケート女子では、京都から宮原知子（１９）＝関西大・木下グループ、京都市中京区＝が出場する。
　

最近、明るい笑顔が目立つ。演技を終え「キスアンドクライ」と呼ばれる席で得点発表を待つ間、両手でハートマークをつくる余裕も。報道陣に答える声も以前より大きくなった。
　

その笑顔には、理由がある。昨年末の全日本選手権で４連覇を飾り五輪切符をつかんだから、ではない。
「たくさんしゃべったり、笑うようにしてます。毎日楽しく過ごせた方がいいかなと思って」。初めて経験した大きなけが、練習できない葛藤、復帰できた喜び－。そんな試練の時間が、日本のエースに心境の変化をもたらした。
　

全日本３連覇、ＧＰ（グランプリ）ファイナルで２年連続２位と勢いに乗っていた約１年前。左股関節の疲労骨折が判明し、平昌五輪の国別代表枠を懸けた３月の世界選手権を欠場した。日本フィギュア界を引っ張ってきた責任感もあり、決断まで悩み続けた。リンクに上がれない苦しい毎日。励みになったのは、国立スポーツ科学センターで一緒にリハビリした他競技の選手たちだ。「自分より、けががひどい選手ばかり。それでも諦めずに前向きに毎日頑張る姿を見ると、落ち込んでいられない」
　

自らの思いを発信するブログを始め、体づくりのために嫌いな牛乳も飲むように。新しい自分と向き合うエネルギーが満ちてきた。浜田美栄コーチも、教え子の変化を感じ取る。「このけがで人間的にもすごく成長したと思う。試合を楽しんでいる。この空間にいられるのを感謝しているように見えた」
　

４歳でスケートを始めてからの「夢」だった初めての五輪が３９日後に迫る。「周りのレベルも上がっているし、自分の点数も上がっていると思う。食らいついていけるように自分も上を目指していきたい」。強豪がひしめく最高峰の舞台で、その笑顔はひときわ輝く。

ソース

https://headlines.yahoo.co.jp/h-kyt-spo

全日本選手権2017。宮原知子が逆転優勝し４連覇。平昌五輪代表決定。２位は坂本花織。