平昌冬季五輪に出場したフィギュアスケート男子の田中刑事(23)=倉敷芸科大大学院、倉敷市出身。拠点の兵庫県西宮市で練習を再開している田中に五輪を振り返ってもらうとともに、21日開幕の世界選手権(イタリア・ミラノ)など今後の抱負を聞いた。
5位入賞だった団体は男子フリーに出場し5位。個人はショートプログラム(SP)20位、フリー15位で総合18位(244・83点)だった。
「団体も個人も目標とする演技内容ではなく、悔しさが残る。個人順位は1桁に入りたかった。早朝に公式練習、午前中に試合開始という経験のない日程に苦慮した。(フィギュアの午前スタートは異例で)対策はしてきたつもりだったが、コンディションを合わせきれなかった」
得点源の4回転ジャンプをなかなか決められず、最後の個人フリーで成功させた。
「冒頭の4回転サルコーは高さが出なかったが、ぎりぎり着氷できた。団体とSPの経験を少しは生かせた。氷の感触は良かったのでもっと決めたかった」
初の五輪をどう感じたか。
「演技直前、観客席ですごい数の日の丸が揺れていたのが五輪ならではと思った。本当にあっという間だった。もっと長く五輪の緊張感を味わいたかった」
4位だった1月末の四大陸選手権、五輪、そして世界選手権と相次いで大舞台に臨む。
「(昨年末の)全日本選手権からずっと追い込んできたので、最後まで力を出し切りたい。世界選手権も午前中からの試合スケジュール。五輪の教訓を必ず生かし、次こそ1桁順位を狙う」
フリーの曲はイタリア映画の巨匠フェリーニ監督の名作メドレーだ。
「作品の“本場”で縁を感じる。五輪後、スケーティングや振り付けの細かい部分を詰めている。2季使ってきた曲もこれが最後。気持ちを込めて演じる」
来季以降は。
「オリンピック出場の目標は達成したが、まだまだ国際大会で戦う。グランプリ・ファイナルは一度も出場できていないし、世界選手権でも上位で勝負したい。いろんな曲に挑戦し、表現の幅も広げていく。1年ずつ成長を続けた先に4年後の北京五輪があるかもしれない。成功も失敗も一つ一つ積み重ねていく自分のスタイルをこれからも貫く」
ソース:http://www.sanyonews.jp/article/678492/1/